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サイクロン掃除機

​サイクロンは流体(気体)から固体を分離する装置である。気体を旋回させ遠心力を発生させる。遠心力によって固体を壁近くに分離し、重力によってサイクロンから排出する。重力を利用するためサイクロンは垂直に設置することが必要である。

遠心力が大きいほど、固体の比重が大きいほど、ゴミが大きいほど捕集効率が高くなる。

​サイクロンは小さなゴミを取り除くのが苦手である。小さいほど空気と共に移動し、分離されにくくなる。

サイクロンは捕集装置の前段で大雑把にごみを取るために使われる。トラクターの空気清浄器における応用がその典型である。ごみを完全に捕集する目的では使用しない。

サイクロンが家庭用掃除機に応用されているが、私に言わせれば”適切に教育を受けた機械技術者が最初に捨てるべき方法を採用している”ということになる。

​捕集効率を高くするためには空気を高速にする必要があり、電力を消費する。現にあるメーカーのサイクロン掃除機は紙パック式掃除機に比べて仕事率が半分ほどになっている。吸引力が落ちにくいとは言え、仕事率が低ければ本末転倒である。

この会社の戦略は次のように想像される。通常であれば捨てられる方式を採用し、独自性を打ち出す。高い値付けをする。大きいモーターが必要だから少しは高くつくだろう。販売店に手数料を多く払う。宣伝においては小さな利点だけを強調し突き放したような表現をして消費者の思考を停止させる。

​このメーカーの扇風機も機械工学者が最初に捨てるべき方式を採用して独自性を出している。高速の空気を少量噴出し周囲の空気を随伴(引き連れる)させる。高速の空気と低速の空気との間で摩擦が生じ有効なエネルギーが失われる。普通の扇風機のように個体の羽根で空気に直接仕事をするほうが合理的である。空気を高速で噴出させるためにはより高い圧力が必要で送風機の消費電力と騒音は大きくなる。

​リスボン空港のトイレにこのメーカーの温風乾燥機があった。風は強力だった気がする。

アルカリイオン水の製造機の実演を家電量販店で見た。製造した常温のアルカリ水を茶葉に注ぐとみるみる緑になる。よくよく調べてみたら電解質の錠剤を入れるようです。水が電解質、例えば食塩、を含んでいれば酸性とアルカリ性に分かれるかもしれない。年間数千億の売り上げだそうです。私は買いません。

​このページにサイクロンも含めて色々辛口が書いてあります。

http://motosyuuriyadesu.blog.fc2.com/blog-entry-68.html

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